ときにはこんな星ふる夜に
おもひわづらひ
こんなちんけなボクだから
ココロのありか
生命(いのち)の理由
囚(とら)われし者たち
虚偽(いつわ)りの名前
はるか遠い過去(むかし)の話
フツーのコドモ

 ときにはこんな星ふる夜に

1.いつのまにかこんな所まで
  何となく歩いてきた
  どこがゴールなのかも知らずに
  人ごみのなか流されて
   いつごろだろう
   考えるのをやめた日は
   生きる意味とか
   幸せの意味とか
  ときにはこんな星ふる夜に
  思い悩みをうちすてて
  そっとまぶたを閉じてみれば
  大事なものが少しは見えるかも

2.ひとなみに忙しいときを
  それとなく過ごしてきた
  特に不満なわけでもなく
  穏やかな笑顔のままで
   いつごろだろう
   心を無くした日は
   熱い思いも
   冷めた涙さえも
  ときにはこんな星ふる夜に
  冷たい夜風に溶けこんで
  静かに耳をすましてみれば
  心の声が少しは聞けるかも

3.気づかずに大人になるまで
  何となく生きてこられた
  どれが自分なのかも知らずに
  ホントの自分にウソついて 
   いつごろだろう
   夢を捨てた日は
   星にたくした夢を
   祈りつづけたお願いを
  ときにはこんな星ふる夜に
  夜の空気をいっぱい吸って
  心も体もあずけてみれば
  人の小ささ少しは分かるかも
 おもひわづらひ

1. 息苦しくて 遠い空
  眺めてた ある日
  空の鳥に ふと問われた
  何をそんなに悩んでいるの
   今日をあくせく生きるすべ
   口を突くのは愚痴ばかり
   もう怖がることないと
   舞い上がる鳥

2. 足どり重く うつむいて
  歩いてた ある日
  野に咲く花に ふと問われた
  何をそんなに悩んでいるの
   今日の自分を守る壁
   見えない鎖に縛られて
   もう強がることないと
   咲き誇る花

3. 思い煩い 渦まいて
  落ち込んだ ある日
  自分の胸にふと問われた
  何がそんなに苦しめてるの
   今日も変わらず繰り返す
   昨日とおんなじ過ちを
   きっとどこかで気づいてた
   なにげない日々
   なにげない幸せ
 こんなちんけなボクだから

1.独りになるのが怖いから    
  群れずに飛べない 
  ちんけなカラス
  いつも誰かに憧れて
  すべてのものを比べてた
   だれだって独り
   いつだって怖い
  自分の醜さ嘆いてみても
  いつもと変わらぬそのままの
  ボクでしかないボクがいる

  こんなちんけなボクにでも
  守れるものがあるという

2.生きてくペースが狂うから
  ゆっくり走れぬ
  ちんけなネズミ
  忘れ去りたいイヤなこと
  見つめることから逃げていた
   だれだって弱い
   いつだって不安
  小さな自分に気づいたときに
  小ささ故に大事にできる
  大きな何かがきっとある

  こんなちんけなボクにしか
  守れぬものがあるという

  こんなちんけなボクだから
  ひとり孤独な寂しさや
  弱さを抱えた苦しさの
  一番近くにいてあげる
 ココロのありか

1.傷つくことなく
  成長しようと思ってた
  衝突ばかりを避けてきた
   他人(ひと)の痛みを痛いと思う
   他人の幸せ喜べる
   そんなココロを僕にください

  ぽっかり開いた大きな穴を
  吹きぬく風に問いかけた
   切なさのありかは何処(どこ)ですか
   今すぐそれを壊しに行くから 
  答えのヒントをくれたのは
  いつも見ていた空よりも
  ずっと大きな空でした
  
2.甘えることなく
  ひとりで生きる自信があった
  強がりばかりを言ってきた
   苦しいことを辛いと言える
   嬉しいことを喜べる
   そんなココロを僕にください

  ぽっかり開いた大きな穴を
  吹きぬく風に問いかけた
   ココロのありかは何処ですか
   今すぐそれを取り戻すから
  答えのヒントをくれたのは
  僕の求めた愛よりも
  もっと大きな愛でした
 生命(いのち)の理由

1.どうせいつかは死ぬからと
  自分のことだけ考えた
  心と体、病めるとき
  人のぬくもり知る機会(チャンス)
   海よ、あなたはこの声を
   どこか遠くで聞いていますか
   僕の流した涙まで
   波と一緒に流してください

2.何の役にも立たないと
  生まれる前から思ってた
  貧弱すぎる自分の手
  初めて知ったあたたかさ
   空よ、あなたはこの歌を
   どこか遠くで聞いていますか
   僕の行くべき道のりを
   雲の谷間で照らしてください

3.誰かが死んだと聞いたとき
  生命(いのち)の鼓動に気がついた
  はかないものは数あるが
  無意味なものは何もない
   山よ、あなたはこの願い
   どこか遠くで聞いていますか
   僕の愛する生命(もの)たちを
   木々で優しく包んでください

4.たとえ明日が闇夜(やみよ)でも
  僕は今、ここに生きている
  たとえ理由を知らずとも 
  たしかに君は生きている 
   神よ、あなたはこの祈り
   どこか遠くで聞いていますか
   僕がこの世に生まれたワケを
   いつかどこかで教えてください
 囚(とら)われし者たち

1.鉄格子のない牢屋のなかで
  囚われ人(びと)が叫んでる
  もとから闇にいる者は
  それが闇だと気づかない
   「疎外」と「閉塞」「虚像」と「幻想」
   見えない壁に囲まれて
   人はいつでも何かの虜(とりこ)

2.重い鎖を引きずりながら
  囚われ人がわめいてる
  がんじがらめのこの身体  
  どうしてくれるとわめいてる
   「本音」と「建前」「世間」と「常識」
   見えない縄に縛られて
   人はいつでも何かの虜

3.いつも誰かに愛されたくて
  囚われ人がもがいてる  
  地位や名誉やプライドに 
  自分の居場所を見出だして
   「虚栄」と「屈辱」「疲労」と「焦燥」
   消えない過去にほだされて
   人はいつでも何かの虜 

4.無駄なあがきと知っていながら
  囚われ人が泣いている
  知らぬ間(ま)に自分の首を
  絞めていたのは自分の手
   「自由」と「束縛」「無常」と「哀愁」
   癒えない傷にふたをして 
   人はいつでも何かの虜  
   姿かたちのない何かの虜
 虚偽(いつわ)りの名前

1.肩書きを、求める奴らがこう言った
  「清く正しく美しく」
  美辞や麗句がならべられ
  スローガンが飾られる
  繰り返される名前への暴虐

   「善」や「正義」の名のもとに
    人と人とが殺し合い
   「王」や「国家」の名のもとに
    人と人とが憎み合う
   そんな空虚(むな)しき名のもとに
   名も無きものの名のもとに

2.したり顔、教える奴らがこう言った
  「いつも明るくほがらかに」
  いたって素直で健全な
  よい子たちがあふれ出す
  繰り返される名前への謀略

   「マナー」や「規則」の名のもとに
    狭い檻へと囲いこみ
   「愛」や「躾(しつけ)」の名のもとに
    ガラスの身体を傷つける
   そんな愚かな名のもとに
   名も無きものの名のもとに

3.偉そうに、のたまう奴らがこう言った
  「すべて世のため人のため」
  安っぽい意味つけ加え
  もとの言葉に泥を塗る
  繰り返される名前への冒涜(ぼうとく)  

   「神」や「仏」の名のもとに
    私利と私欲をむさぼって
   「罪」や「真理」の名のもとに
    全てのものを嘲(あざ)笑う
   そんな汚(よご)れた名のもとに
   名も無きものの名のもとに
 はるか遠い過去(むかし)の話

1.耳を澄まして
  初めて聞こえる
  大地の囁(ささや)き
  大気の呟(つぶや)き
   今、ひかり輝くこの泉
   かつて悲劇のあった爆心地
   みんな人の創ったものに苦しんだ

  誰も知らない
  思い出せない
  はるか遠い過去(むかし)の話

2.今となっては
  確かに聞こえる
  遺蹟の語(かた)らい
  化石の足音
   今、稲を刈り取るこの刃
   かつて人を危めた血の剣
   みんな人の創ったもので傷ついた

  誰も知らない
  思い出せない
  はるか遠い過去の話

3.嵐のように
  時だけ過ぎ去った
  古来(こらい)の空夢(そらゆめ)
  未来の思い出
   今、闇を照らすこの光
   かつては国を滅ぼす死の兵器
   みんな人の欲するものを追いかけた

  誰も知らない
  思い出せない
  はるか遠い過去の話
 フツーのコドモ

1.いつか分かる時が来るって
  そんなことぐらい分かってる
  でも今、分かるかぎりのことを
  分かろうとすることが
  どうしていけないの?

   こんなこと言うとさ
   フツーじゃないねって
   言われたりするけど
   フツーのコドモってなんなのさ

2.何が善で何が悪か
  そんなことぐらい分かってる
  でも今、「当たり前」の理由を
  分かろうとすることが
  どうしていけないの?

   こんなこと言うとさ
   変わったコドモって
   言われたりするけど
   フツーのコドモってなんなのさ

3.きっと答えは一つじゃない
  そんなことぐらい分かってる
  でも今、自分だけの答えを
  探そうとすることが
  どうしていけないの?

   こんなこと言うとさ
   コドモのくせにって
   言われたりするけど
   オトナになれるのはいつなのさ

4.フツーに生きてフツーに死ねば
  大丈夫だって分かってる
  でも今、みんなが作り出した
  フツーに反することが
  どうしていけないの?

   こんなこと言うとさ
   問題があるって
   言われたりするけど
   フツーの基準は誰なのさ

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